X-T1のファインダー性能について

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X-T1のファインダーについて

前回に引き続き

FUJIFILM X−T1開発者達による

CPプラス2014トークショーです。

商品企画開発担当:上野氏から
プロトタイプを写真家さんに試してもらうのですが
第一声は『でかっ!』とみなさんおっしゃいます。
【広く見やすい視界】
今回のEVFは0.77倍
まさに、広く見やすい視界を実現させた。
CPプラス2014FUJIFILM開発者トークショー
EVF開発担当:近藤氏
EVFの難しさを一眼レフと比較してお話していきます。
一眼はプリズムを通してルーペで拡大している。
EVFは小さな空間に小さなパネルを拡大して映している。
ここに難しさがある。
ただ単に大きくしてしまうと、歪や色収差が発生する。
我々は大きくしても、ヌケの良いファインダー
隅々までパッと見える。
コレを実現するために極力、色収差を抑える所に力を入れた。
X-T1のファインダーについて
上野氏
ファインダーに使用されている有機ELのパネルは
X-E2と同じ236万画素数相当。
じゃぁ何故、X-T1を覗くとここまで違うのか。
それは光学系の仕組みで変わってくる。

X-T1のファインダーについて
2014年度版FUJINONレンズカタログ

【タイムラグについて】
EVFは100%の視野率でパララックスがない
更に、一眼レフと違って『撮ろう!』と思った
瞬間が見えるというのが最大の特徴。
ただし、EVFの場合、表示遅れが発生するのが問題視されている。
今回はそこを改善した。
さすがにタイムラグ”0”とまではいかないですが
人間の視覚限界に近づけようということで取り組んだ。
0.005秒という世界最短のタイムラグで実現することが出来た。
X-T1のファインダーについて
0.005秒という数値は人間の目では遅れを感じさせない。
上野氏
1000分の5秒はほぼ、遅れを感じないですね。
しかし100分の5秒は違和感を感じるんです。
近藤氏
じゃぁ1000分の5秒が実現できた理由はなんなのか。
この説明は非常に難しい。
とても難しい内容だが、できるだけ簡単に説明すると。
『COMSとLCDをの駆動制御を極限まで詰めた』
従来はCMOSから出てくる信号を表示側のメモリに一旦
置いてEVFに表示をする。ここに時間がかかっていた。
今回はCMOSの信号を直ぐに表示する方法にした。
これによって、表示遅れを0.005秒にすることが出来た。

X-T1のファインダーについて

上野氏からまとめ
『目的地を近くして時間を短縮した。』
ということです。
このファインダーについては
我々も教えてもらえなかった性能。
よく、
『E-2と4ヶ月しか違わないのに
何故E2とT1こんなにもファインダーが違うのか?』
その理由はファインダーの改善ができるかどうかの
瀬戸際の中でチャレンジして作り上げたからだ。

X-T1のファインダーについて
X-100S

近藤氏
このファインダーはただ単に速いというだけではなく
フレームレートという言葉はお聞きになったことがあると
思いますが、フレームレートはCMOSが画像を出す回数
1秒間に何回画像を出すかというのを数字で表しいる。
早ければ滑らかに見え、遅ければパラパラ漫画のようにカクカク見える。
このフレームレートは各社60フレームレート位だと思います。
問題は、この60フレームレートを暗い場所で、どこまで粘れるか。
我々は『粘るフレームレート』と呼んでます。
1.6LVまでの暗さまでは高速の60フレームが続く。
CMOSは暗くなると蓄積時間が長くなるので
フレームレートを落とさなければいけない問題がある。
しかし、当社の得意なノイズ軽減処理で実現できている。

X-T1のファインダーについて
X-E2のファインダー

上野氏
MAXフレームレートというのは環境が良ければ
早く動作するが、常に明るい環境で写真を撮影するわけでは無い。
Xシリーズは高感度特性が非常に良いので
つい、夜のスナップとかどんどん撮れる。
そんな暗い環境でもどれだけ高速のフレームレートを維持することが
使い勝手に影響する。
フレームレートを高くしても、暗い環境になると速度が
落ちてしまうのではなく、
どれだけフレームレートを維持できるかが
本当のファインダーの使い勝手ではないのか。
そこが重要ではないかと考えてます。

以上です。

今年春頃のX−E2ファームアップデート時に
X−T1と同じタイムラグになるということで
私は、今か今かと心待ちにしております!
あの、滑らかなファインダーが
X−E2で実現できるなんて素晴らしい!
次はファインダーの中の情報表示
グラフィックユーザーインターフェースをデザインした
佐久間氏の説明を書こうと思います。
【CPプラス2014の記事一覧】
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